形見のウクレレ

「本日、体験レッスンの方がお一人いらっしゃいますので。」

 

相模原カルチャーセンターで毎月開催させていただいているウクレレリフレクソロジー。
新しく受講を希望されている方は、まずこの体験からスタートするのがいつもの流れです。

 

今回の体験希望の方は年配の男性。

 

重厚そうなウクレレケースを抱えて教室に入ってこられました。
既にウクレレをお持ちという事から、経験者かと予測したのですが、全くの初心者だとの返答。

 

中からは、ピカピカでよく手入れされている感のあるFamousのウクレレがでできました。

 

「いいウクレレをお持ちですね。」

 

そう声をおかけすると、またも予測できなかった返答が返ってきました。

 

「これ、亡くなった妻が生前使っていたものなんですよ。今度は私が使ってやろうかと思いましてね。」

 

まるでドラマか映画のようなお話。

 

ご主人の姿に、奥様の演奏姿が浮かびあがってくるようで、私の立場からは、なんともいえない責任感を感じてきました。

 

急遽予定を変更しての、体験者様向けの要素も取り入れた今回のレッスン。

 

充実した内容を提供できたかどうかは正直自信がなかったのですが、レッスン後にはなんとか正式に受講申し込みをして下さりました。



天国の奥様の為にも、
ご主人に演奏技術と健康とをしっかり提供しなければいけませんね。