理想は赤ちゃん

 

〜以下の文章は2009年、イギリス留学時に書いたものです。〜

 

 

現在滞在中のイギリスで先日アレクサンダーテクニークのワークショップに参加してきました。


体の無駄な緊張を取り除いていき本来発揮できるべき力を100%発揮させよう。自分自身の体の使い方を学ぼうというというのがこのアレクサンダーテクニーク。


ジュリアード音楽院、王立演劇学校などではこれを正規の授業として取り入れており著名人ではキアヌ・リーブス、ロビン・ウィリアムズ、ポール・マッカートニー、スティングなどもこのアレクサンダーテクニークのレッスンを受けたそうです。

レッスンの中で特に印象に残ったのは「意識を天の方に。天から引っ張られているような気持ちで体を楽に保ちなさい」という言葉でした。英語が決して得意とは言えない自分ですが大旨そんな意味だったと思います。
この考え方もアレクサンダーテクニークを発見し方法論化したアレクサンダー氏によるものなのでしょうか。


アレクサンダー氏がしばしば言っていた言葉に、
「放っておけば、正しい事は自然に起こる」 というのがあるそうです。
意味の深い言葉だと思います。

放っておけば・・・ 放っておいた時の体の状態を体が楽に保たれている時の状態とするのなら
操体法の理論とも通じる部分がある気がします。
操体法においても体を楽に動かす感覚を知る。楽に動かす感覚を体にインプットさせる事が大事なのです。

人間は赤ちゃんから成長して現在に至るまでの間で良い習慣も身につければ悪い習慣も身につけてしまうもの。
赤ちゃんの頃には何も考えなくても楽に動かせたのが現在では何故か動かせなくなってしまっている。
例を挙げれば・・・ 腕を楽に上げられない。背中に回せない。股関節が固い。   などなど 

 

あなたは如何ですか?

ボイストレーニング等を受けた経験のある方は耳にした事があるのではないでしょうか。「理想の発声法は赤ちゃんの泣き方だ。」と。

スタート地点である赤ちゃんの頃を理想とする考えは発声法だけにとどまらないと思います。
まだ未完成な部分も多い時期ではありますが、現在劣化してしまったものがそこには新品の綺麗な状態のままあります。

思い出せるものなら思い出してみるべきかもしれません。新品だったあの頃の体の動かし方を。